最終更新時刻:2008年9月5日(金) 23時13分

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”広告”はしばし一休み?

公開日時:
2006/05/17 21:07
著者:
渡辺聡

事務所Blogの方でも速報で一言したのだが、ネットイヤー主催のセミナーに御邪魔してきた。

近しいテーマで出版企画を他から頂き手伝ったりしているのだが、テーマとしては、「最近のネットの変化を踏まえてマーケティングはどのように変わったのか?」である。ひとつひとつのサービスの新しさやWeb2.0が来た(あるいは、来ない)という議論もそれはそれで良いが、そろそろ一度くるっと一回りして整理してみていい時期な感じを受けている。タイムリー感を受けつつ案件終わった足で会場の汐留へ。
 
幾つか引っかかったところを抜きつつ進めてみたい。
 
 
生活者のメディアリテラシーの変化
 
前半は博報堂の勝野さんによる、メディアの現状と並行して動いているプロモーションの現状についての全体サマリ。定量データやリサーチ資料、典型事例を踏まえて地に足の着いた説明で、現時点の定位置はどこかを客観性高く確認するスタイルのプレゼンテーション。

最近の変化がコンパクトに、

受信*アクセス力:接近
受信*理解力:信頼
受信*創造力:享受
受信*批評力:交信

というまとめに落とし込まれていた。前半で語られていた、「口コミは望むと望まずに関わらず既に書かれているし見えてしまっている」というところも踏まえて、どのようにコミュニケートしていくのか。

一緒に参加していた「みたいもん!!」のいしたにさんと終了後にエウレカセブン涼宮ハルヒの口コミ構造がどう違うか(涼宮ハルヒの分析についてはアキバBlogでサマリが掲載されている)。時系列でどう変化推移しているのか(更には、終わった後どのような残り方をしているのか)について意見を交わしたりしていたが、キーワードとしては上記のものにやはり繋がる。

まず、当然プロモーションでも本編でもコンテンツに触れないことには始まらないので、なんらかの接触から始まるのは当然として、何を出すかはユーザーが何を受け取れるのか、どういう風に受け止められるのかの理解と信頼があって初めて出来るものとなる。この先ユーザー側の反応は、相互理解に近い読みが成立しているかしていないかで変わってくるところであり、”書いてもらう”といったアプローチとは若干異なる感覚になる。享受と交信の起き方が変わってしまう訳である。

商材にも拠るので一概には言えないが、一言で伝わるようにする、分かってもらえるように言葉を凝らすということが必ずしも正解ではないというのが最近周囲で普通にやりとりしているところとなる。
 
 
エレキテルとインターネット
 
タカヒロさんのプレゼンは平賀源内からスタート。お店に来てもらい、商品を手にとってお買い上げ頂く。このプロセス全体を上手くこなすことがマーケティング活動であり、メディアや広告手法は変わっても変わらない原則であることを踏まえつつ、江戸時代のマーケティングと現代のマーケティングを比較しつつ話は進む。

源内の時代、リテラシー要素としてひとつポイントになっていたのは識字率。どこまで本当かは分からないが、お上の立て札の内容を読んでもらう場面が時代物を見ているとあったりするが、メッセージを文字で説明した際に、まず広告として機能するためには、読めるかどうかが制約条件となっていた。

比較して現在、勝野さんも整理されていたように、メディアとコンタクトポイントが日々増えていく現在。ユーザーのメディアリテラシーそのもの、どれくらい多様なメディアを理解し触れているかが制約条件となっている。

同じネット上のコンテンツにしても、企業が作ろうが個人が作ろうが、視聴競争が起きる。そういう世界の中に情報とメディアが埋まっているという環境を掴むところがまずスタートラインとなる。
 
 
広告は情報である
 
検索エンジン広告のビジネスモデルを調べた事のある方でれば、すっと分かるテーマであろう。ユーザーが見たいもの、知りたいもの、解決したい課題があるという前提に立つと、欲しているものであれば、サイトだろうとテレビ番組だろうと商品紹介ページでも用に足りればユーザーとしては何でも良い。

ユーザーが必要なときに必要なだけ。出し方とタイミングが良ければ、広告とコンテンツの境目は無くなる。

この話は、アテンションとインテンションの違い、対応するメディアとユーザー行動の違いというプレゼンの核心部分にストレートに繋がっていくのだが、説明するには全部書いてしまうところになるのでこのあたりで。

後半部分でひとつ印象的だったのは、昔大学生に「最近面白い広告は?」と聞くとメディアの指定もしていないのに、テレビCMを普通に挙げていた。今同じことを聞くと、回答がなくなる。つまり、広告を見ているという意識が薄れてきているのではないかという話。

企業側のマーケの支援をしていても提供情報と記事の境目が本当に無くなっているのは日々実感しているが(こうしてBlogを書いていても境目は限りなく無い)、コンテンツの中に混ぜ込む(プレイスメント)にしてもインテンションのン流れの中に置くにせよ(AdWords)、広告という言葉は一旦お休みしてしまってもいいのかもしれない。

マス広告もプロモーションも無くなるはずもないが、メディアの形が次々に変わる今、そもそもの事業活動とマーケティングとは、という非常にベーシックなところ、ユーザーにとって価値のある情報、認知に留まらずユーザーの行動に繋がるタッチポイントとコンテンツは何かというところに立ち戻って話を整理した方がすっきりと分かるのだろう。

故に平賀源内が今日出てきたのだと受け止めている。

この議論は突き詰めていくと、メディアプロモーションでは無く、一方向はブランド管理に。もう一方向は脳と身体の議論に行ってしまうというのが最近考えつつ整理しているところになる。ちなみに、個人的にはその手前で機能している一部ハードを含んだソフトウェアプロセスを重めに追っている。ソフトの層を落とすと見落としが出かねないというのは、勝野さんも同じ考えの様子だった。

追記:
涼宮ハルヒのエンディング曲の売れ行きについて、「結局テレビの効果は強い」とのエントリ。記載内容の裏取りが出来ていないので参考ではあるが、きっちりと機能していればそりゃそうでしょうということで。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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