最終更新時刻:2008年10月10日(金) 23時50分

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マスマーケティングのネットシフトの可能性

公開日時:
2006/03/13 10:01
著者:
渡辺聡

昨日、オーバルリンク主催のイベント(ご参加の方はお分かりかと思うがセミナーというよりはイベント)にパネルのモデレーターとして参加してきた。

oval.jpg

写真はの一つ前のセッション速水健朗氏いしたにまさき氏

担当セッションのスピーカーは「最近世界一小さい、ではなくなってきた」KNNの神田敏晶さんとPassion For The Futureその他の橋本大也さん。テーマとしてはコンテンツとメディアと題して

メディアの価値が変わるとしても、産業の推進役として位置づけられたマスメディアは、そう簡単に消え去るものではありません。一方で、新たなメディアとしてのネットワーク技術の進化と普及は、誰にも止められません。両者の間に起こるであろう反発、補完、代替、シナジーを通じて、それぞれのメディアに流れるコンテンツとそれを享受する側のコンテクストの関係が変わっていくのは間違いありません。テレビとブログ、Webと雑誌など、メディアの進化と融合によって浮上してくる情報とオーディエンスの関係性の変化を俯瞰します。

このような設定。

非常に漠然として掴みどころのないものをそのままぐっと無理して掴んでみようという40分となった。
 
 
マスからパーソナル、更にマスへ
 
全体の流れとして神田さんがパーソナルメディアの視点から語り、トランスパーソナルもしくはコミュニティという単位で橋本さんが語り、最後ラップアップする形でマスへの橋架けをして終わるというものとなった。

神田さんパートはマスメディアが自己都合で動いている場面に過去何度も現場体験してきたというエピソードとカウンターとしてのメディア、パーソナルなものが出てくる素地はあるのではないか、ヘッドからテールに至る議論の進展経過を上手くサポートして最後まとめる”ウルトラ・ナロウ・キャスト”のインフラがあっても面白いのではないかというご指摘。

橋本さんパートは(こちらでPDFが公開されています)パーソナルなツールが多数出てきてある程度まとまったコミュニティを形成した際に何が起きるか、メディアとしてはどのような機能を果たしているかをオーバルリンクを事例としてサマライズ。メタ→ネタ→ベタ→オタと続く論展開は会場で歓声が上がっていたように、笑いが取れると同時に上手くまとめてあって面白い。せっかくなので原典を是非。

雑誌を先行事例として出してもいいのだろうが、ある程度クラスター化が進んでそれぞれに対応するメディアがある、しかも今なら参加型双方向でやりとりがされるようになっているところは概ね異論のないところだろう。

ただ、これは会場でもその場ですぐに答えが出るようなものではないことを確認して話題にしたのだが、お二方いずれの分析もマスメディアがあるという前提でのカウンターパートの機能について説明していること。ネットが新聞やテレビ、いわゆるマスメディアを代替して破壊するのか否かという議論がしばしば話題になるが、話はそう簡単に片付くとは思えない。
 
 
ネット時代のマスメディア
 
何かが何かを代替するということは、古いものの果たして来た役割を新しいものが果たさないとならない。差分と余剰いずれが出たにしても、すべて丸めて周りが納得して受け取らないと本来は成立しない。”あっちの方が儲かるから”ということで地すべり的に話が進む場合もあるがそれだけで済ましてしまうと気持ちが悪い。

モデレーションの役割だったのでアウトラインしか作っていないが、枝葉を抜いてひとつ議論の流れを作ってみた。同じく当日資料を公開しているので参照頂きたい。
(余談になるが、この資料は神田さん橋本さん資料よりも先に仕上がっている。この逆転もまたコンテンツ化出来る場は面白い)

以下、いろんなまとめ方が可能な領域であるがひとつのパターンとして受け取って頂きたい。まず、そもそものマスメディアの機能について。

◇(マス)メディアの存在意義
・国家基盤
 近代国民国家が成立する一要素
・消費財を中心に産業成立基盤=マスマーケティングインフラ
・コンテンツ流通、コミュニケーションのインフラ

ひとつめはISEDあたりで議論が盛んなところとなる。Joiあたりも民主主義論に良く議論を飛ばしているが概ね同じところと言える。

今回主に取り扱ったのは二つ目のポイント。金融と同じく、他産業の潤滑油となっているところをどう担保することになっていくのか。全く新しい何かが出てくるのか、マス的な機能をネットを含めたこれからの何かが代替サポートしていくことになるのか。

当日の目的は結論を出すところではなく、アジェンダ設定を納得して終わるというところで、準備していた切り口は、情報の信頼性担保、購買のスイッチと後押しを誰がどうやるのかとこちら。

◇デジタル化するメディアとコンテンツ
・デジタル化とデバイスの相互接続
・押しなべて繋がるとそれってネットと一言で呼ぶのか
・コンテンツへのアクセス権が増えると、覇権はサーチが握る?
・Googleは小さい神様なのか?

デジタル化されて増え続けた情報を如何にコンパクトに納得出来る形で受け取れば快適なのか。消費財は特に、事業会社のマーケティングの方と議論をしているとあるボリュームをどうやってきっちり出していくのかにきっちりとした回答は出ていないという話になる。

会場で議論をして出てきたのが、サーチに代表されるツールが伸びていることは当然認めるが、自分の身の回りの人間とのやり取りが増えていること。「単純に、詳しそうな人に聞く」(橋本さん)。但し、この”聞く”がBlogやIMなどのコミュニケーションツールに置き換わっていて広範に高速にやり取りができる事。

信頼性の維持という視点で見ると、組織としてのメディアになんとなく依存していたものを具体的な個人に振り向けたことになる。この変化はマスメディアは死んだという言い方ではなく、相対的に役割が小さくなっていることと、ネットのコミュニケーションサービスが伸びて使いやすくなったことで個々人が利用メディアの組み換えを行ったことが同時に起きて発生した出来事だろう。

マスマーケティングこれからどうするの?という議論については、面白い事例も多々耳にしており、耐久財などを中心に幾つか方向性が出てきているが、日用品、例えば歯ブラシや洗剤をどうするのかはまだ答えが出ていない。

流れとして、タイトルと反した仮説で終わりにしたいが単純なネットシフトにはならないだろう。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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