Tagの話も少しは取り上げようかということで、PC Forumのレポートを読みこなしていたが、そのものの議論をする前に先に自分の中で整理を付けたいものがある。古典的な議論だが集中と分散について。
インターネットがそもそもからして分散処理だったりするものだが、その上に乗っかるサービスも最近分散型優性の流れが出てきている。定まった体系では捉えられていないが、一度広げて並べてみたい。
◆メディア
元々はタカヒロさんの言葉だが、「再地図化」が行われている。つまり、新しいメディアも加えての最適バランスが模索されている。
メディアについて最近まとめたのは「サーチ全盛時代のメディア企業戦略」と「オールドメディアによるハイテクニューメディア買収」、同(2)。
ポイントをまとめると、二点。
1)あちこちのサイトに行くのは面倒、横断的にまとめて見たいというワンストップへの需要からアグリゲーターサイトのポジションが高まる
2)メディアサイトはサーチやBlogから直接記事に来るユーザーの動きに対応してサイトの設計や広告の配置を変えつつある
個々のメディア単位ではなく、記事単位をマイクロコンテンツとして捉え、サーチ系の技術で横串に一括してまとめてしまうというのは、一般のサイトとサーチエンジンの関係と同様となる。集中のポイントはアグリゲーションサービス。そこから分散した個々の記事=それぞれのメディアサイトへとトラフィックが流れていく。
◆メディアとBlog
上の議論には一枚、メディアとBlog(とRSS)というテーマを加えても良い。最近身の回りでは多く語られているが一例を引くとR30氏の「ブログと情報強度(その3)ローエンド破壊されるマスコミ」などが該当する。今のところは覇権交代というよりは、役割分担が起きるというくらいのシナリオが濃い。ひとつひとつのメディアを集中のポイントと捉えると、その周辺に分散して補足記事が足されるという補完関係がメディアとBlogの間に築かれている。
◆ポータル
Log the Endless Worldの「遍在型サービスとポータルの融合と今後の道」。まずはご一読を。ポータルサイトでの集中と偏在はこちらのまとめが綺麗。
遍在型の典型としては、AdSenseという商品がいい例だと思うのですが、自分の外部に存在する、自発的に提供される巨大なコンテンツの海に自分を溶け込ませて、うまく収益を上げていくモデルとでも言いましょうか。他方、YahooやAOL、MSN等のポータルは、その戦略の歴史を紐解くとわかるように、当初は「ポータル」と言っていたものの、最終的には自らを「多くのニーズを飲み込むデスティネーション化」し、ページビューの巨大化と滞在時間のアップを狙い、そのメディア力をマネタイズするモデルとでも言いましょう。
Yahooを例にとってもMSNを例に取っても、最近のポータルは良く使うサービスとツールの集合体と化している。ニュースを見るにも乗り換えをするにも地図を調べるにも株価を見るにも検索するにも何から何までYahooという方は少なくないだろう。
2000年から2001年にかけて、結局最終的にはウェブの世界でもスケールメリットに軍配が上がるのかと考えていたところから違う流れを具体的に感じ始めたのは、Googleの台頭に代表されるサーチサービスの急激な伸びとBlogの広まり。Blogが全体として果たしている役割が肌身で理解出来るにつれ、集中と分散と並存する時代に入ったのだと実感出来た。
◆Wikipedia
日本だとそんなに聞かないが、オンラインで公開編集されている百科辞典。日本語版も存在する。記事としては少し前になるが、梅田さんの「ネットで信頼に足る百科事典は作れるか」が詳しい。
上に並べたものと比較すると特徴のある事例だが、多人数のユーザー参加型で、コンテンツの品質を高めて行く動きではかなり以前から行われているものとなる。同じくR30氏の「メディアビジネスのバリューチェーン(その1)」でまとめているエントロピーの問題も合わせてクリア出来るのか、且つ辞典以外の、例えばメディアの機能を補完出来るのか出来ないのかの先行ケースとしてよい。
分散と偏在と如何にして味方につけるのかを産業全体が考えている風にこのところ見えている。
この先には日本でもサービスの開始されたTechnoratiなど新手のサーチ/シンジケーションサービスが続いていくことになるのだが、それはまた別途機会のあるときとして。
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そうこう書いているとタグサービスの有力サイトである、del.icio.usの運営者がフルタイム専業でサービス運営を行う決心をしたという。近日中に買収の話が出てくるのではないだろうか。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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