米YahooがRSSへの本格対応を開始した。ベータ版でしばらく提供されていた期間が、以前「米YahooがMyYahooでRSS対応中」というエントリを書いたのが年初1月のことなので、かれこれ半年以上ということになる。
ようやく、という感じで出てきたのは、単に技術対応しましたというよりは「今後私たちはこういう方針で進みます」というアナウンスを感じられるものとなった。使い勝手の良し悪しについてはしばらく期間が経たないと分からないところもあるので、あまり多くは触れない。感じ取れた方向感についてメモしてみたい。
開放系のトラフィック設計
MyYahooの新機能の紹介ページに行くと、冒頭にはこんな文章がある。
You still get all your favorite Yahoo! services like Mail, Movies, Maps, Photos, Stocks and Sports. Now you can mix in cool stuff from around the Web - Craigslist, BBC, CNet, plus blogs like Boing Boing, Defamer, Instapundit and thousands more. Unlimited choice - nice alternative to boredom, isn't it?
ポイントはもちろん、「around the Web」であり、他サイトコンテンツ、他サービスを実質取り込むことになる。ポータルはしばらく、コンテンツの内部化と統合化を進めていた。日本でも同様であり、Yahooの始原であるディレクトリサービスはいまや一部門でしかなく、ポータルという言葉も、いろんなサイトに行く玄関という意味を失い、ワンストップサービスというのが実態となりつつあった。サービス化を進めた背景の一つはもちろん、検索サービスの成長がある。
つまり、Yahooも楽天もInterActiveCorpもなんだか似たような方向に向かって進んでいたのがここしばらくだった。広めに考えると、このリストにはGoogleも加えて良く、MSNも入る余地がある。トランザクションと手数料収入を意識する事業モデルである。また、見方を変えると、コンテンツクローズの世界である。
昨今のポータルは、トラフィックの内部回遊を非常に意識している。コマースでも広告でもユーザーの利用量が上がれば単価が上がる可能性は高まるのでごく自然な動きになるが、サイトから外に流れていく傾向の強い検索サービスでさえも、内部コンテンツへの誘導を積極的に行ってきている。
対して他サイトのRSSは完全に他サイトに流れていってしまうサービスである。入り口部分は確実に確保出来るが、入り口以外は確実に確保できない。ユーザーの導線は検索サービスのように一瞬立ち寄ってすぐどこかに行ってしまうパターンになる。
RSS対応はウェブの利用形態が分散化していることへのYahooなりの回答だとして受け止めたい。ナビゲーションの機能を上手く掬い取ろうという解釈であり、コンテンツがオープン化され、情報量が増え続ける中で彼らが必要なこととして提示した解決策となる。
提示したいもの
彼らが提供したいものはこう語られている。
Add What You Like -- InstantlyFound something you like? Great. Preview it, and if you like it, just click "Add." Presto! It's yours! Refreshed and updated whenever you look. One click, no hassle. Shouldn't life be that simple?
見たいフィードを好きなように取り込めるというのがRSSの良い点であるが、ワンクリック登録を実現している。技術的に高度というわけではなく、競合の模倣可能性も十分にあるが、そこはYahooブランドを組み合わせると強くなるだろう。ワンクリックというと思い出すのはAmazonだが、ああいった小粒でピリリと辛いサービスになれるかが見ものである。
細かいところはさておき、この次に期待されるのはパーソナライズサーチとの融合だろう。例えば、登録しているフィードの範囲内を検索対象とするなどの応用はすぐにでも対応出来る。自分の好みのテーマごとにフィードの組み合わせを登録するなどが出来ると、検索精度は自分の好きな方法で上げることが出来る。日常的にリサーチを行うヘビーユーザーなどは重宝するのではないか、また、個別のサイトにある検索ボックスからシェアを奪えるのではないか。
そしてもうひとつ。Bloglinesのような会社にとっては、貴重なExitルートが一つ断たれてしまったかもしれない。また、じわじわと世の中にその存在意義が伝わってきたTechnoratiはどう見ているのか。同じRSSというだけで括るには少々無理もあるが、つい思い出してしまった次第である。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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