最終更新時刻:2008年8月30日(土) 2時12分

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Blogを書くことの心理的負担とそれを上回る魅力

公開日時:
2004/02/18 09:15
著者:
umeda

今日は、先々週、先週の村山氏のゲストBlogを読んで考えたことなどをいくつか。

まずは後日談から。村山氏の「Sotto Voce」によると、彼がゲストBlogでしきりに取り上げたマイクロソフトのRobert Scobleが、CNET Japanからのトラフィックが多いことに気づき、村山氏との間にこんなやり取りがあったらしい。

「月曜日のRobert Scobleのblogのエントリにこんな記載があった。

For instance, do I link to ego stuff, like this CNET/Japan link which is driving a bit of traffic my way tonight? (Can anyone translate that?)

CNETに貼ったScobleizer blogへのリンクをクリックした人が多かったらしく、彼のサイトのアクセス元ランキングの上位に私のguest blogのエントリ(特に第一回と最終回)が出現し、「誰だこれは」というリアクションを誘ったようだ。(中略)

さすがにこんなことを書かれると、「追っかけ」の私としては自分の正体と意図を明らかにせねば、と思い、上のScobleのエントリに対し、今朝こんなコメントを書いてみた。

I'm the guy who's been writing about you on CNET/Japan. Consider me a fan of yours. The dialogue you were generating and promoting through your blog was so intriguing I felt compelled to introduce that to my Japanese audience so I took the opportunity when I was asked to guestblog for Mochio Umeda (who's a friend of mine) last week. My own blog discusses you quite a bit, too - albeit in Japanese. I'm thinking about posting more in English there and try to become more of a contributor than a mere reader of your blog... Can I now claim that I've been Sobleized now? :)

基本的には、Scobleのやっていることに感心していること、それゆえいつも取り上げている事を伝えたつもりである。

これに対し、なんと、ほんの1時間ほどでScoble自身のコメントが寄せられた。

Naotake, yes, you've been Scobleized! This is a fun world we've built here. Thanks for taking the conversation into new places!

以前こちらのエントリでScobleに取り上げてもらうことを「Scobleized」と言う、といった趣旨のことを書いたが、これでついに、Scobleizedされたことになる。しかも、「新しいところ(=日本)にここでの対話を拡大してくれてありがとう」とまで言ってくれている。

ちょっと感激してしまった。Blogやってて良かった、と思った一瞬である。」

僕もそうだが、アクセスログを見ていると、別にコメントやトラックバックを直接もらわずとも、ネット上のどこかで書かれていることは、大抵把握することができる。この村山氏とScobleの出会いは、人と人との新しいつながりを生むメディアとしてのBlogの可能性を垣間見る一瞬である。

共通点のない人々に向けて書くということの難しさ

ところで、精力的に毎日Blogを書き続けていたあのScobleがついにバーンアウトしたという話は、たいへん興味深かった。

Scobleバーンアウトの顛末は、村山氏の第1回「マイクロソフトのiPod論争に見るBlogと企業の関係」と第2回「文科系のためのナノテクビジネス入門」の冒頭で紹介された。

「I have too many audiences. I know execs are reading. Coworkers. Family members. Competitors. Influentials. Customers. Press. It's hard to write well for any one audience when you're trying to please them all. In the old days I didn't have disparate audiences, I just was talking to my blogger friends.」(第1回より)

「I'm addicted to the blog and it's started hurting my work relationships, my personal relationships, and skewed my judgment. Translation: I'm a blog addict and need to work on the rest of my life for a little while.」(第2回より)

何だか本当に身につまされる話である。「Talking to my blogger friends」だった昔にはもう戻れないのは、今や彼が「disparate audiences」(共通点のない本当に色々な人達)に囲まれてしまったからである。

村山氏は、Scobleについての感想を、

「毎日のように世の中から膨大な情報を吸収し、それを変換してまた吐き出すという形で知恵の形成に尽くしていることに快感めいたものを感じながらも、いつしかそれが自分のエネルギーを吸い取っている、ということに気づいたのだろう。」(第2回より)

こう述べておられるが、Scobleのエネルギーを吸い取る源は「disparate audiences」(共通点のない本当に色々な人達)であったに違いない。

僕もこの連載を続けている中で何度となく経験し、今も完全に克服できてはいないが、ネット上で多くの読者に向けてモノを書くという行為で、乗り越えなければならないハードルは、この「disparate audiences」(共通点のない本当に色々な人達)に慣れることである。

雑誌や新聞にモノを書く場合には、どれだけ発行部数が多くとも、この「disparate audiences」を実感することはほとんどない。よほど挑発的なことを書けば話は別だろうが、ごく普通の論説に対して、直接の反応などほとんどないのがオールドメディアでは普通だからだ。でもネットは違う。そしてBlogはまたぜんぜん違う。世の中には本当に色々な人が居るということを日々実感させられるし、社会全体の正の部分と負の部分というのはいつも表裏一体のものなのだということに気づくことも多い。

しかしそういうことを超えて面白いから、ScobleはBlog中毒(I'm addicted to the blog)になり、しばらく休んだあとでまた復活してきたのであろう。

そして村山氏の

「話は逸れるが、数百万人のブロガーが存在し、それぞれがお互いの内容に影響を与え、引用やトラックバックでつながっているという現状は、「人間の知恵」みたいなものがインターネット上にどんどん集積するのみならず、「対話」を通じて新たな知恵が生まれることを可能にしているのかな、と思うときがある。インターネットが自然発生的に人間社会の「ナレッジシステム」を形成している、という見方をしても良い。ただ、こうして毎日のようにBlogを書いたりしていると、自分がこのシステムから何かを得ているというよりは、システムの維持と発展のために自分の時間や知識、思考といった資源を注入しているような気もしてくる。これではまるで、「マトリックス」に描かれた人間がシステムの電池と化した状態ではないか。すると自分は「電波系」ならぬ「電池系」か。」(第7回より)

のくだりには同感しつつ爆笑した。じつは僕も最近は、喜んで「マトリックスの電池」になってやろうじゃないか、というような気分になっている。電池には電池としての人生があるのではないかと期待しつつ。

私の情報源Blogベスト10

さて村山氏が第7回の中で、情報源としてのBlogを開示し、その中からベスト10を紹介されていた(僕のベスト10とかなり重なっている)

AlwaysOnNetwork
BoingBoingBlog
Joho the Blog
Lessig Blog
Many-to-Many
Ross Mayfield
Scripting News
Slashdot
The Scobleizer
Wired News

ので、僕もそれにならっていくつかのBlogをご紹介して今日の稿を終わりにしよう。年初に作ったはてなアンテナには、150個以上の情報源を網羅的に挙げてあるが、その中から、村山氏がベスト10に選んでいないBlogを追加するとすれば、以下の通りとなる。順不同です。

(1) bubblegeneration

(2) A VC

(3) SAP Ventures

(4) John Battelle's Searchblog

(5) MyAppleMenu

(6) Peter O'Kelly's Reality Check

(7) Techdirt

(8) Techno-News Blog

(9) Corante Venture Capital

(10) Watching google like a hawk

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

3

<a href= ></a>

  Alexiok on 2007/10/28

2

<a href= ></a>

  Watermanlo on 2007/10/28

1

日本では数年前から,はてな,hns,TDS,tDiaryなどのWeb日記コミュニティがあります.技術的には blogとほとんど同じもので,相互にリンクを行い,コミュニケーションを取るという点でも非常によく似ています.やはり,そこでも日記中毒といえる症状が起きていました.

ただ,blogと違うのは,基本線は個人的な日記なんですね.特定のトピックに対して,意見を交わすことで,コラボレートしようという動きはどちらかといえば例外的だったように思います.「Web日記」という日記の延長線であることを体現したカテゴリ名と,「blog」という手垢がついていない名前との違いは,思った以上に大きいのかも知れないなと感じます.

  Psychs on 2004/02/18

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