米国ネット5強は、Amazon、Yahoo、eBay、Google、USA Interactiveで定着しつつある。前4者については比較的情報が豊富だが、最後のUSA Interactiveは日本であまりよく知られていないような気がする。ちょうど、いいサマリーがTech Central Stationサイトに出たので、その記事「The Hyperactive Corporation」をまず読んでみよう。
AOLと比較されるUSA Interactive
USA Interactiveという社名と、America Onlineという社名は、考えてみればそっくりだ。USAとAmerica、InteractiveとOnline。言われてみると確かにそうだ。
「On the surface, USA Interactive (recently re-named InterActiveCorp) and AOL Time Warner appear to be corporate twins separated at birth. Both are Internet era conglomerates, both played up the "convergence story" on a madcap e-commerce acquisition binge and both are desperately after the Internet stock multiples afforded to high-fliers such as Yahoo, Amazon and eBay. Even the names of the two companies are strangely similar. (USA Online? America Interactive?) Yet, as InterActiveCorp (IAC) has recently demonstrated, there is a world of difference between an "interactive" company and an "online" company. So why has AOL Time Warner flopped and IAC emerged as the new darling of the Internet sector?」
そしてこの2つの会社は、インターネット時代のコングロマリットを目指したという意味でもよく似ている。でも、AOLは失敗し、USA Interactive(InterActiveCorpに社名変更、以下IAC)は今、脚光を浴びている。
CEOのBarry Dillerは、5月に出した株主宛のレターの中で、自社ビジョンをこう定義したという。
「In it, Diller enunciates his grand vision for the company as the worldwide leader "in the business of interactivity via the Internet, the TV and the telephone."」
インターネットとテレビと電話を通してのinteractivityビジネスの世界リーダー。
それは何か。
「He has simplified and streamlined the company, assembling his e-commerce cash cows into three major categories: E-Retailing (HSN, America's Store, HSN.com), Information & Services (Ticketmaster, Match.com, Citysearch, Evite) and Travel Services (Expedia, Hotels.com, TV Travel Group).」
事業領域は、E-retailingとInformation & ServicesとTravel Servicesの3つ。
「Similar to AOL Time Warner, the IAC story is a convergence story. But it is not the convergence of Online and Offline properties, or the convergence of New Media and Old Media assets, or even the convergence of Digital assets with Analog assets. It is, in the words of Diller, "a convergence of entertainment with information and direct selling."」
AOL Time Warner同様、IACも、複数事業の集合体であるが、AOLが「オンラインとオフラインの統合」とか「ニューメディアとオールドメディア資産の統合」とか「デジタルアセットとアナログアセットの統合」とか抽象的なことを言っていたのに対し、IACは「エンタテインメントと情報とダイレクトセールスの統合」を目指したという。
この3要素は、それぞれ単体では価値を生まないが、3つを合わせて融合させてはじめて価値を生み出す。
コンテンツは重要ではない
Dillerは、フリーキャッシュフローを生み出すことを最優先事項に、事業を再構築していった。
「not something like EBITDA, revenue, subscriptions, market share, or heaven forbid, "eyeballs."」
というような、バブル期にもてはやされた指標ではなくて。Eyeballsなんて言葉は懐かしいですねぇ。
そして最終的には、コンテンツではなくてトランザクションという概念に行き着いた。
「Finally, Diller has placed his bet on "transactions," and not on "content." Content is not king, transactions are. Diller makes this clear in a March 2003 interview with Wired magazine: "When you talk about content, what you're really talking about are goods and services --- the selling of goods or the dissemination of services." Content, in Diller's opinion, is only useful when it is bundled with a transaction.」
「Content is King」は嘘で、トランザクションがKingなのだ。トランザクションの伴わないコンテンツに価値はない。
そしてこの記事の結論部分は、
「Maybe it is too early to tell if Barry Diller's vision of interactivity will pay off for shareholders. Since February, though, shares of the company have skyrocketed, from just over $20 to nearly $40 a share. For now, Diller has put the Internet world on notice: his competitors are not media giants or entertainment giants -- his new rivals are companies like eBay, Amazon and Yahoo. Diller likes to call them "Tier 1 Interactive Companies." Who knows? Given Diller's penchant for changing names, acquiring new companies, generating cash and creating value for shareholders, the company may soon be known as the HyperActive Corporation.」
Barry Dillerのinteractivityについてのビジョンを評価するのはまだ時期尚早だが、株価はぐんと上がっている。Dillerは、競争者はメディアやエンターテイメントの巨人たちではなく、eBayでありAmazonでありYahoo("Tier 1 Interactive Companies.")だと認識している。
引用の中に出てきた、3月のWired誌の記事というのは、「Barry Diller Has No Vision for the Future of the Internet.」である。長文であるから、興味のある方はゆっくり原文をどうぞ。
重要なのはインターネットよりインタラクティブ性
この中に、IACをサマライズするいい文章がある。
「With the bust in Internet stocks, there are fewer than a dozen people left on the Forbes 400 list whose money comes from the Web. Diller is one of them. USA Interactive has a market valuation of some $12.5 billion, putting it a distant second to eBay ($22 billion) but above Yahoo! ($10 billion) and Amazon ($8 billion). It has 26,000 employees in 26 countries and projected revenue this year of $6 billion - and it's controlled by Diller alone. Of course, it's not a pure Web play: TV shopping accounts for about 40 percent of its revenue, while the rest is a combination of online and phone sales of concert, sports, and airline tickets, hotel reservations, and the like. But to Diller, the point is that it's all interactive. Who cares if some customers are Web surfers and others are couch potatoes wielding telephones?」
時価総額125億ドル。26カ国に2万6000人の社員。売り上げは60億ドル。これをDiller一人がコントロールしている。いわばDiller帝国である。でもIACは純粋なネット企業(pure Web play)ではない。テレビショッピングが売り上げの40%。オンラインや電話でのチケット(コンサート、航空券、ホテル等)が残りである。
だからDillerは、自社ビジョンを、「"in the business of interactivity via the Internet, the TV and the telephone."」と称し、Interactivityこそが大切なのであって、「Who cares if some customers are Web surfers and others are couch potatoes wielding telephones?」ウェブであろうがテレビと電話であろうが何が悪い、というわけ。
「Most of Diller's businesses today involve selling things through some combination of electronic media - TV, telephone, and, increasingly, the Internet. HSN has given rise to HSN.com. Ticketmaster was doing less than 5 percent of its business online when he bought it in 1997; now it gets 45 percent of its sales through the Web.」
IACは複数の事業買収によって作り上げられたわけだが、TicketMasterは買収時点でのウェブ売り上げは5%。今はそれが45%になっているというのが好例のように、ネット事業というよりもインタラクティブな販売事業を徐々にネット化していくというアプローチを取っている。
「The one part of USAi that doesn't involve commerce is the online guide Citysearch. Meant to be an adjunct to Ticketmaster - once you buy tickets you need to find a restaurant, right? - it's succeeded mainly in losing money. But it did lead to the acquisition of Match.com, which has become the Web's number-one personals site and the source of USAi's fastest-growing revenue stream.」
米国最大の出会い系サイトMatch.comもIACの傘下にあり、稼ぎ頭となっている。
USA Interactive改めIACは、日本のどこの会社にいちばん似ていると言えばいいのだろう。この会社とこの会社を合わせて●●●したような会社、というふうに表現するとどうなるのでしょうか。日本のネット事業、通販事情に詳しい方は、ぜひコメントをお願いします。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
山崎牧雄 on 2003/07/13
コンサルタントの山崎です。
E-Businessに関しては、Amazon, Yahoo, e-bay,
Googleなど独自のビジネスモデル、ビジネスプロセス、
また、技術的なアルゴリズムを基に、ドットボムを乗り越えて生き残ったドットコム企業として今後の動向が
注目されます。
さて、梅田様の今回のテーマは、これらドットコムに次ぐドットコム企業はどこかに関してですが、
一つのWebサイトで稼ぐには限界があります。
また、YahooやGoogleなどは取引(トランザクション)は、多く発生せず、顧客は検索サイトとして利用し、
通過しているに過ぎないと思われます。
国内では『楽天』のビジネスモデルがありますが、
顧客を集めるという意味では『ブランド効果』
はあったと思いますが、三木谷社長のエクスパタイズは、単なる米国版ドットコムを国内で最初に着手したに過ぎないと評価しています。
つまり、亜流の流行雑誌のコンテンツの集合体です。
ぜひ、一度アクセス・ログを解析して下さい。
購買はオークション以外では真昼間が多いはず・・。
オフィスレディー達は現在、社内業務のシステム化により、仕事がなくなり暇をWebアクセスで過ごしているケースが多いと予想されます。今後、ビジネス以外のアクセス制限が厳しくなれば、大きな影響が出るとも予想されます。
そこでお勧めするのが、米国の「Expedia.com」「hotels.com」「Tickets.com」など複数のサイトを
運営しているXXX氏のビジネスモデル。
トータルで稼ぎ出す売上は、おそらく、Yahooを上回っていると思われます。
結果として、通過してしまう検索サイトよりも、
キーコンテンツ(航空券、ホテル予約、エンターテイメント・チケットなど)のドライバーを持ち、誰もが
簡単に記憶できるドメイン名を使い、トランザクション?、多くのビジネス取引を発生することが、
e-business成功の近道であると思われます。
もし、サイトを運営されていてアドバイスが必要な方はご連絡下さい。
山崎牧雄 on 2003/07/12
まだ会社の規模もビジネスモデルも全く異なるはずですが、「華々しくはないけど、地道に儲かりそうなベタなビジネスを、いつの間にやら買い集めている(?)」という印象を受ける、エッジという会社が日本にあります。ベタなTV通販番組で、ジルコニア(人工ダイヤ)の指輪を売りまくって名を上げた、バリーディラーのそれと共通する姿勢が感じられなくもありません。
annonymous coward (a.k.a. Chikichiki) on 2003/07/11
記事中の「トランザクション」はコンピュータ用語(データベース用語?)のトランザクションではなく、「取引」という意味ですよね?
こういう場合は「トランザクション」とは書かないほうが良いと思うのですが、いかがでしょうか。
(それとも僕の読み違い?)
浅倉卓司 on 2003/07/11
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コンサルタントの山崎です。
最近、気になる「e-Business動向」として、
GoogleによるPyra Labsの買収があります。
Pyra Labsは梅田様が集中的にコラムでその影響度
に関して触れている部分だと思われます。
Googleの最近のビジネス・アプローチとして注目
されるのが、「Adwards」と呼ばれる新しい広告スタイル。従来の広告が固定制であったのに対して、
あくまでもROI(Return on Investment)型による
顧客のクリック数によって課金するといったモデル
である。
ところが、前回、コメントで触れた指摘どおり、
Googleのビジネス価値は検索結果であり、
Googleの検索エンジンの結果画面に表示されている
Adwards広告をクリックする回数が極めて少ないことが、おそらく広告掲示しているクライアント側よりも、Adwards広告を企画・運営しているGoogleサイド
に大きく課題としてあったのだと推測される。
そこで、Googleは通常のホームページのキャッシュだけでなく、もっと対象が狭まったコンテンツに注力しようとアプローチした。それが「Pyra Labsのブロッグ技術と開発スタッフ」である。
ブロッグの多くは、「政治」「経済」「産業」「株価」「科学技術」「人生」「恋」「病気」、その他、マスメディアによるニュースなどと異なり、そこには先見性や個人的な意見、極小的な話題などが掲載されており、
ブロッグ内での検索エンジンが果たすであろう効果は
計り知れない可能性を秘めているからだ。
Googleは、ブロッグの検索結果にAdwards広告をうまくリンクさせることを考えているのではないかと私見ではあるが予測している。
おそらく、広告の敵中率は高まるわけだ。
同様の動きで、オプスウェアがストレージ・コンテンツのパターン・マッチを行う計画があるなど、
如何にコンテンツを有効活用していこうか、という
大きなトレンドがあると思われる。
Amazon、Yahoo、eBay、Googleに次ぐ5番目の
ドットコムは、おそらく、これらのコンテンツを
有効活用することで、アクセス対象者とスポンサー
とのマッチング率を高め、ROIを向上させるアプローチではないかと考えている。
ところで、CNET編集への寄稿依頼がありましたら、
積極的に検討したいと考えております。
宜しくお願い致します。また、本日より米国出張となります。米国企業CTOや調査会社アナリスト・トップ2人とのブリーフィングを予定しており、先駆的なお話もできるのではないかと考えております。
今後のインターネットで大きな存在となっていくことだろうということだった。
創設者のひとりであるセルゲイ・ブリン(Sergey Brin)は、インターネットの次世代の市場を担うのはどんなものかというのをずっとリサーチしていた。特に重視していたのは、どのようなツールが今後使われるようになり、それによってエンドユーザーの体験することがどう変わるかということ。それは同時に、Googleが注目し続けている分野でもある。そしてリサーチの結果、明白になったのは、Pyra Labsが今後のインターネットで大きな存在となっていくことだろうということだった。