先日、Yahoo! Google Microsoft 3社がウェブインデックス作成のための共通Sitemapsプロトコルをサポートしたというニュースがあったが、それ以外にも3社が足並みを揃えた取組みをしているものがある。日本であまり話題に上らなかったが「NOODP」というメタタグに関連するものだ。
NOODPについて説明する前に、検索エンジンが検索結果画面で表示する各リンクのタイトルと説明文の生成方法について説明しよう。
MSNサーチ/Google
タイトル:タイトルタグ、またはDMOZ(Open Directory)掲載文
説明文:Webページ上のキーワード前後、またはDMOZ掲載文
Yahoo! Search
(1) 現在
タイトル:Yahoo!カテゴリまたはタイトルタグ
説明文:Yahoo!カテゴリに加えてWebページ上のキーワード前後、またはWebページ上のキーワード前後のみ
(2) (参考)日本でYahoo!検索がリリースされた当初
タイトル:Yahoo!カテゴリまたはタイトルタグ
説明文:Yahoo!カテゴリ説明文またはWebページ上のキーワード前後
このように、各社ともインデックスしたページのタイトルタグとキーワード前後の文章、またはDMOZやYahoo!カテゴリといったディレクトリ検索にて使用しているテキストを用いている。
しかし、後者のディレクトリ検索からの引用については昔からウェブマスターから不満の声が噴出していた。なぜなら、ディレクトリ検索にて掲載されている文言は「客観的に、かつ簡潔にサイトの説明を行う」という性格上、キャッチーなものではない、つまり検索結果画面にそれが表示されてもクリックしたいと思わないような、そんな文言だからである。もし検索結果に表示される全てのWebページのタイトル・説明文がディレクトリ検索からの引用であれば平等だから問題ないが、あるWebページはSEOを意識して作成されたタイトルや説明文が表示され、一方でつまらない文言が表示されていては検索からのトラフィック誘導という観点で後者は不利なのだ。
また、ディレクトリ検索に掲載されている文言が常にリンク先ページの組織や個人の現状を示しているわけではない。例えば、ディレクトリ掲載当時は大阪府大阪市でカラオケ店を運営していたが現在は奈良県奈良市に移転して漫画喫茶を営んでいたとしよう。しかしディレクトリ検索には当時のまま、大阪市でカラオケ店を運営しているお店としての説明が掲載され続けてしまうケースがある。Yahoo!カテゴリのようにきちんとした会社が運営しているものは変更申請をすれば迅速に対応してもらえるものの、ボランティアに運営が任されているDMOZはなかなか変更されないことが少なくない。
以前、海外のあるウェブマスターのサイトがGoogle検索時にDMOZからのデータが表示されていたのだが、そのデータがあまりに古く実態を示していなかったため、DMOZに対して文言の変更申請を行った。しかし何度申請しても対応してもらえなかったために今度はDMOZからの削除要求を出したところ、「正当な理由なくDMOZからサイトを削除することはできない」というDMOZ運営者からの回答がなされ※、紛糾したことがある(※ これはあるフォーラムにて行われた発言であり、DMOZの公式な発言ではないと思われるが、そういった趣旨の回答が行われていた。正当な理由なく〜は当時の担当者レベルの判断であると推定される)。
日本でもYahoo!検索(ロボット型検索)が導入された当初、似たような不満が噴出したことがある。例えば、Yahoo!検索で「法科大学院」と検索してほしい。いま皆さんが検索をすると、1位から順に「○○○大学 法科大学院」といった表記になっているはずで、検索ユーザは情報が探しやすいと思うがこれはYahoo!がタイトル・説明文の生成ルールを改良した結果だ。Yahoo!検索リリース当初は、「Yahoo!カテゴリ掲載サイトは全て、タイトル・説明文はYahoo!カテゴリに準じる」というルールを設けていたため、法科大学院と検索すると1位から延々と「法科大学院」という文字しか並ばない検索結果が表示されていた。Yahoo!カテゴリは収録のロジック上、○○○大学フォルダの下に法科大学院のサイトを掲載するため、(Yahoo!カテゴリ作成時の)タイトルからは大学名は省略されてしまうために法科大学院としか記述されなかった。

* * *
検索会社としては、ロボットが自動的に生成する、またはウェブマスターが勝手に作成したタイトルや説明文よりも人手をかけて作成したもののほうがより正確にリンク先ページを説明できるという考えがあるかも知れない。しかし、そもそもカテゴリ検索というコンテクストにおいて最適化して作成されたタイトル・説明文を、キーワード検索のコンテクストでそのまま使用して使い勝手が良いはずがないのだ。法科大学院の例でいえば、○○○大学のカテゴリを表示している時点で、そこに並んでいるリンクは全て○○○大学のリンクと推定可能だからタイトル記述時に省略しているし、むしろ全てのリンクに○○○大学 △△△ と書いてしまったらくどいだろう。しかし、必要とする情報に関連するキーワードでピンポイントに探索し、カテゴリという概念が存在しないウェブ検索でそれを適用してしまえば意味不明な検索結果になるのは目に見えている。
こうしたことから、各社が「NOODPメタタグを埋め込んだページについては、DMOZデータを表示しない」対応を実施するに至った。今年の5月にまず、Microsoftが同社の検索エンジンでNOODPのサポートを開始した。それを追ってGoogleがNOODP導入を決定して、10月下旬にYahoo!も採用に踏み切った。さらにYahoo!はDMOZからの引用を拒否できるだけでなく、Yahoo!ディレクトリの引用も拒否できるよう検討している。
今回の3社のサポートにより、少なくともDMOZの文言が掲載されるのが気に入らないというウェブマスターに対しての回答は用意できたわけだが、「検索結果をよりわかりやすくする、情報を探しやすくする」ためにタイトル・説明文をどのように生成し表示すべきかは依然として検索会社の課題だ。SEOを意識しすぎたために適切なタイトルが記述されていない場合もあれば、逆にWebサイトやHTMLの知識不足のために適切なタイトルが記述されていない場合もあろう。Yahoo!検索の現在のアプローチであるYahoo!カテゴリ+ページからの引用というの悪くない方法だがYahoo!カテゴリ掲載サイトにしか通用しないのが難点だ。ソーシャルサービスの要素を取り込む、MARSFLAGやSNAPのようにリンク先ページをビジュアルに表示するなど改良するための選択肢はまだ数多く残されており、今後各社がどんな試みをしていくかに注目したい。
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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