大手映画会社のひとつであるWarner Brothersが、YouTubeなどと同種のサービスを提供する動画共有サイト「GUBA」と契約し、映画本編の有料配信を行うことになりました(ニュース記事はこちら)。先月にはP2Pファイル共有サービスのBitTorrentとやはり動画配信契約を行うと発表していた同社ですが、これほどラジカル(?)な動きに出る--つまり、不正な動画ファイル配信の温床ともいわれているP2Pネットワークや動画共有サイトといった「天敵」と手を組む背景には、映画会社側の未来への危機感とともに、そうした大胆な決断を可能にするある理由があるようです。
ちょっと前に出たFortunes誌の記事によると、Warner BrosのHome Entertainment Divisionでは、昨年10月に組織改編を行い、それまで別々の利害と優先事項を抱えていた各部門(DVD販売、オンライン配信、ビデオゲーム、ケータイ向け配信)のビジネスを、ひとりの責任者--Kevin Tsujihara氏という41歳の幹部の手に委ねたそうです。これにより、以前なら部門間の利害の対立から実現が難しかった多くの手が打てるようになったのだとか。
Tsujihara氏の職掌のなかには、BitTorrentやGUBAなども含めたデジタル配信のほか、DVDパッケージの上得意でもあり、全米で最も多くのDVDを販売するWal-Martの店頭にデジタルキオスクを導入することなども含まれているそうです(このキオスクには6600タイトルのカタログが収められているため、店頭に陳列しきれない数のタイトルを扱うことができるメリットがある/それによって小売業者の機嫌を損ねないようにする狙いがある、とか)。
また、今年4月には、大手映画会社のなかでいち早くDVDの発売と同時にデジタルダウンロード販売を開始(タイトルは「Harry Potter and the Goblet of Fire」)するなど、Warner Bros.は矢継ぎ早に新しい動きに出ていますが、それもこれも上記のような「気配り」があり、利害調整がうまくいっているからでしょうか。
Disney(with Apple)やSony Picturesなど、ハードウェアとの連携=「End-to-End」のビジネスモデルが描きやすい映画会社のほうが比較的注目を集めやすい印象もありますが、現在のWarner Bros.の大胆さにはちょっと要注目かと思います。
坂和敏(編集部)
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