[Cass SunsteinによるゲストBlog]
Cass Sunsteinより。しばらくの間このBlogに投稿することを許してくれたラリーに心から感謝する。このありがたい誘いは、以前わたしが送ったナイーブで無知な問い合わせから生まれた。尋ねたのは、情報の集約(アグリゲーション)とそこに考えられる限界に関してだった。
背景について:数年前、わたしは著書 Republic.com (『インターネットは民主主義の敵か』)において、エコー・チェンバー(反響室)と自己遮蔽のもたらす危険を強調した。いま取りかかっている新著は、まだごく初期の段階なのだが、そうした危険について引きつづき議論を進める一方、人々のあいだに分散している情報の「ビット」同士をふさわしい形で集約させるというインターネットの実に広範な可能性(たとえばオープンソースソフトウェア、wiki、予測市場、さらにはBlogを通じて)についても強調するものになる。
しかしこれではどうにも抽象的だから、すこし焦点を絞ってみよう。20世紀のもっとも重要な議論のひとつはハイエクの価格システムの概念を巡るものだ。すなわちハイエクは、いかなる「価格」も情報と多くの人々の嗜好を捉えたものであり、その精度は最善の識者たちによる判定をも凌ぐと主張した。よって価格はどのような中央計画者よりもはるかに優れた働きをする。ここで問題:この価格システムとwiki、オープンソースソフトウェア、さらにはブロゴスフィアのあいだのアナロジーはどこまで有効だろうか。類似が破れるのはどこか? 具体的には、wikiとBlog圏が分散情報を集約する仕組みとして有効でなくなるのはどのような場合か? いずれわたしの考えを提示するつもりだが、いまは設問だけに留めたい。このような問いには非常に多くの情報がかかわってくるだろう。どのようなコメントも歓迎だ。
[Cass R. Sunstein (キャス・サンスティーン)はシカゴ大学ロースクール教授。]
(ウィキペディア設立者Jimmy "Jimbo" Walesはこのエントリへのコメントで、"Wikipediaプロジェクトに関する自分の考えはハイエクの価格理論が中心になっている"と述べている。「(...) ハイエクを理解せずにWikipediaを理解することも不可能ではないかもしれない。Wikipediaに対するわたし自身の理解が間違っているかも知れないから。しかしハイエクを理解せずに、Wikipediaに対するわたしの考えを理解することは不可能だ。」)
※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。
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