最終更新時刻:2009年1月9日(金) 23時48分

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「灰色の火曜日」の白と黒

公開日時:
2004/02/27 08:55
著者:
lessig_blog

DJ Danger Mouseの『Grey Album』は、Jay-ZのBlack AlbumとビートルズのWhite Albumのリミックスだ。リミックスの許可は得ていない。われわれの法システムでは、他人の作品をリミックスするには許可が必要だ(素材となる作品がパブリックドメインにあるときは例外だが、言うまでもなく、これからはもう何ひとつパブリックドメインに入ることはない)。よって、Grey Albumはイリーガル・アートということになる。

今日はGrey Tuesday――Grey Albumに対して起こされた戦争に抗議する多くの人々が定めた記念日だ。ネット中のいくつものサイトがGrey Albumを掲載している。こちらでこの抗議の不服従運動に踏み切っているサイトのリストをみてみよう。EMIの弁護士は既に、直面することになる法的責任についてそれらのサイトに警告を始めている。

米国法の下では、カバーアルバムの制作には許可は必要ない。この自由は1909年、議会がクリエータに(ごく少額の法定使用料を支払う限り)好きな音楽をリメイクする権利を認めて以来保証されている。レコード業界はこの強制ライセンス[compulsory license. 義務的ライセンス]の権利を守るため多大な努力をしてきた。1967年の議会の報告書によると:

レコード制作者たちは強制ライセンスの仕組みは維持されねばならないと激しく主張した。主張によれば、レコード産業は五億ドルに達するビジネスであり、合衆国および世界にとって多大な経済的重要性をもつ。今日レコードは音楽流通の主要手段であるが、ここである問題が発生する。なぜなら、レコードへの録音をおこなう演奏者は、妨げのない平等な条件による音楽素材へのアクセスを必要とするからである。レコード制作者の指摘によれば、録音権は1909年以前には存在しなかったが、同年の法改正により、反独占を意図した強制ライセンス方式の導入を条件として認められることになった。その結果、録音された音楽は大々的に普及し、公衆はより低い価格、よりよい品質、より広い選択の幅を得ることになったとかれらは主張する。

下院司法委員会、著作権法改定に関する調査報告(第90回議会、Rep. No. 83 66, 1967年3月8日)(強調筆者)

しかし、カバーの権利はリミックスまではカバーしない。ゆえにDJ Danger Mouseは、現行法の下では、作品を制作する前に許可を得なければならない。

一部のアーティストはこれを公正だと考える。自分の作品が許可なく使用されるという考えを嫌うアーティストもいる。もしディズニーが、許可も取らず使用料も払わずにDJ Danger Mouseの作品をミッキー・1928年以来檻の中・マウスのためにリミックスしたらどう思われるだろうか。

そしてこれこそ、レコード会社が最初に主張する言い訳だ:「我々はただ著作権者の望みを実行しているにすぎない」。これはカルテルではない、とかれらは言う。これはアーティストの権利の問題なのだ、と。

だがその主張も、自分の作品をせめてリミックスに対して解放するという選択をアーティストに許していたならばもっと説得力があっただろう。われわれはGilberto Gilとともに、作品の自由なリミックスを許すサンプリング・ライセンスを進めている。だがアーティストがこのライセンスを選ぶ自由を認めるレコード会社はまだひとつも見つからない。それどころか、ビベンディの法務部門は「わが社の」アーティストに「近づく」ことを禁じると通達してきた。

DJ Danger Mouseが無許可でリミックスする権利は法で認められるべきだろうか?

わたしはそう思う。だが、人がこれをよりグレーな問いだと考えることは理解している。

では、DJ Danger Mouseがリミックスのための強制ライセンスを受ける権利は認められるべきだろうか。元著作権者から個別の許可を得ずとも、売上げに応じて少額の使用料を支払えばリミックスに使用できるという権利だ。

わたしはこれもそうあるべきだと思う。こちらはすこしだけグレーでないと思われるかもしれない。

だが、レコード会社はアーティストたちに対して、自分の作品を他人が自由に利用できるようにすることを、DJ Danger Mouseのようなアーティストが事前に許可を得ずともリミックスできるようにすることを選ぶ権利を認めるべきだろうか?

この問いのどこにもグレーな部分はない。これは完全に白か黒かの問題だ。アーティストは作品をせめてリミックスに対して解放する権利を持つべきだ。そしてレコード会社は、すくなくともこれに関しては邪魔立てすべきではない。

多くの消費者やアーティストの目前でこれほど自分たちの評判を破壊して見せたあとでは、せめてアーティストにこの選択の権利を認めれば、レコード会社が本当に「わが社の」アーティストのことを気にかけていると示す最初のよい一歩となるはずだ。

[オリジナルポスト 2月24日午前7時49分]

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

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