最終更新時刻:2009年1月9日(金) 23時48分

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50%の完成度でサービスを出す

公開日時:
2005/10/25 06:57
著者:
kondo

はてなでサービスを出す時に心がけていることとして、「50%くらいの完成度でサービスを出す」という事があります。

普通に考えれば、サービスは「これで完成」と思う部分まで作り上げて出すべきものである気がしますが、ウェブサービスの場合、実際は半分くらいの完成度で出した方がうまく行く確率が高いと思います。

新しいサービス(例えばブログとWikiがくっついたようなダイアリー)の構想を考えたとして、そのサービスの機能は3種類ぐらいに分けて考えられます。

  1. 最低限必要な機能…ログインや日記を書く機能など。どんなシステムでも持ち合わせている機能
  2. そのサービスを特徴付ける基本機能…キーワードの自動リンクシステムや、それを実現するためのキーワード作成機能など。どのサービスにもあるわけではないが、サービスのコンセプトを表すために必須の機能
  3. 発展的機能…1.や2.を前提として考えた場合に必要となるであろう機能。コメント拒否ユーザー機能や、キーワード削除のための調停ルールなど

この時、1.が無くてはそもそもサービスとして成り立ちませんし、2.が無くては最初にユーザーに面白いと感じてもらうことができませんが、3.に関してはサービスをリリースしてから発展させても良いと考えています。

例えば実際にはてなダイアリーを見返してみると、現在実装されている機能の半分以下の機能で1.や2.を中心としてベータ版をリリースし、それから3年間近く機能追加を続けている感じです。

機能追加を行うのは基本的に3.の発展的機能ですが、たまに1.や2.に立ち戻って開発を行うことがあります。例えばトラックバックの仕様を変更したりするのは、1.や2.の作業だと思います。

100%まで到達しない時点で公開をしたほうが良い理由は何でしょうか。

一つには、サービスはなるべく早くリリースした方が有利だ、という事実があります。色々な事業者や個人が日々創意工夫を繰り返して新しいサービスが作られているインターネット上では、1ヶ月や2ヶ月の遅れが命取りになるということもありますから、そもそも「リリースが早いということは良い事である」という事実があると思います。

しかしそれよりも遥かに大事なのは、「作る人間の想像力には限界がある」という事実です。どれだけ面白い仕組みを考え付いたり、色々な人の立場になって考えることが得意な人間でも、あるサービスが数十万人に利用された時に、その中で何が起きて、どのような機能が必要になるかを全て想像することはできません。

これは、新しい町を建設する人間が、そこに数十万人の住民が移り住んできた時に発生する全ての事象や、全ての住民の幸せについて思いを馳せることが不可能なのと同じです。こんなことが正確に想像できれば、未来の予測もかなり正確に予測できるでしょう。

町というと少し基本的機能が多すぎますので公園で考えてみます。公園の新しい遊具を考案したとして、今までに無い楽しい遊具なので子供がたくさん遊びに来ることが予想されるとします。色々な想定をして、遊具を完成させてから公園をオープンすることもできますが、新しい遊具の面白さを感じるのに最低限の機能を作った時点でオープンし、たくさんの子供たちが自由に遊ぶ様子を眺めながら改良を加えることができたらより素晴らしいと思います。

もちろん、子供が怪我をするような危険は最初に排除しておかなくてはなりませんし、ウェブにおいても最低限の安全性は作りこまなくてはなりません。しかし、そのサービスがプラスの方向にどのような発展を遂げるかは、リリースを行ってから考える部分を相当残しておいた方が面白いと思います。

今のはてなのやり方はまさにこういう考え方です。製品を作る前にプロトタイプを何度も作りながら最終的な形を求めていく方法に近いかもしれませんが、そもそもプロトタイプと製品の境界がなく、いつまでもプロトタイプであり、かつ最初から製品である、という状態がいまのはてなのサービスです。

※このエントリは CNET Japan ブロガーにより投稿されたものです。シーネットネットワークスジャパン および CNET Japan 編集部の見解・意向を示すものではありません。

このエントリーへのコメント

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ユーザビリティテストですか。そういうニュアンスだったんですね。ちと誤解していました。

ただ、はてなでは露出狂と自らを公言している程、いろいろ検討段階のことを公開していますよね。
サービスの方向をスタッフが決定付ける前に使う側の意思を反映できるようにする開発体制を目指しているんじゃないでしょうかね?
題名が新ネットコミュニティ論となってますし、まさしく題名とおりの内容かと。
→ ただ、統制を取るのがものすごい苦労しそうですけどね・・・・
  只でさえ、通常のプロジェクトでもプロトタイプ作っても好みが分かれて統一取れないよ!ってこともありますし(ボソ

まあ、コメントで議論するのは本意ではありませんのでこれで書き逃げします(ひどーい)。

  newWell on 2005/10/25

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> サービスとしての完成度が50%程度で出せばよい、と言っていると読めましたけど。

今のはてなは「サービス = 開発」ではないでしょうか。今のはてなアイディアを見ていると、昔のロジックにひきずられているところがいろいろと出てきています。そのためにも、最初の作りが肝心なのに、微妙に見落としているところがあるように思われます。結局古い構造に引っかかって、アプリケーションの開発にブレーキがかかっているところがあります。

> ユーザーの支持が集まって方向してはいい方向だよね?というのを確認してから

それは、提供するサービスのターゲットを明確に絞れていないという反論にもなります。偶発性による開発もいいですが、ユーザーを明確に想定して開発することで、方向性のあるサービスを作るほうも十分に効果的です。

> 作り手がこれがベスト!と思っていてもユーザーは使いにくい!って思うこともあるわけで。

それを埋め合わせるのがユーザビリティテストです。モデルを立ててユーザビリティを計るなど、実際にこのあたりの研究をしている人は居ます。

  なみ on 2005/10/25

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私もnewWellさんと同じ捉え方をしました。

しかし、はてなユーザーの一人として
はてなサービスには粗が目立つ部分も多く見られますから
そういった気持ちで今回のエントリーを読んでいると
なみさんと同じ気持ちになるなぁ...

  ぷんすこ on 2005/10/25

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え〜と、近藤さんは製品の完成度が50%程度で出せばよいと言っているわけではなくて、サービスとしての完成度が50%程度で出せばよい、と言っていると読めましたけど。
→ つまり、ほとんどテストしなくてもイイヤ!ってなものでもないかと。

考えるだけ考えて作ったサービスでも、肝心のユーザが使わなければ意味ないじゃん!ってなことじゃないでしょうか。
だったら、基本部分だけを作っておいて(これが50%)、ユーザーの支持が集まって方向してはいい方向だよね?というのを確認してからやった方がより良いものが出来るよね?ってなことだと思いました。

ユーザービリティもその一つですよね?
作り手がこれがベスト!と思っていてもユーザーは使いにくい!って思うこともあるわけで。
だったらユーザーから具体的な提案を聞いたほうが手っ取りばやいという手法だと思います。

良いことだと思いますけどね。
→ ただ、時々お知らせにうっかりミスも見かけることもあるのも事実だったり・・・^^;。

あ、コメントなのに長文失礼しました〜。

  newWell on 2005/10/25

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近藤さんの意見に賛成できません。その50%っぷりがはてなのサービスの足を引っ張っているように思えてなりません。はてなアイディアであがっているいくつかのアイディアが技術的な理由で却下されているのを見ると、柔軟性を欠いているとしか思えない部分があります。

それから、リリース前にきちんとユーザービリティチェックを行ってください。大量の確認画面、不自然なUI、検索系の機能の不足、いくらでも「テストしてない」のがばればれなところがあります。

100%とは言いませんが、80%くらいの完成度を目指してください。テスト専任の担当者をつけるか、外部から招聘して、スムーズに使えるサービスを作ってください。一々出てくる確認画面や不要なAjaxにいらいらします。

  なみ on 2005/10/25

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